サイバータックス・ジャパンの使命について石村代表に聞く

〜Part 3〜
サイバータックス・ジャパンは
独立したサイバー・シンクタンクを目指す

(石村)  各地の税理士会などに呼ばれてお話をする機会も少なくありません。少し辛口気味であっても、税理士会に耳ざわりの良いことをいっていれば、確かに重宝がられます。これは"お祭り"なのだ、と割り切ってしまえばいいのですが。しかし、これでは、"税理士会御用達"になってしまいます。政府の審議会などで"お役所御用達"となっているのと変わりません。ただ、後者の場合は、"お祭り"と言って割り切るわけにはいかないわけです。
 政府の審議会や研究会などでは、役所の主張を擁護するか、あるいは黙って発言しないでいれば、イイヒトです。所詮、筋書きは役所が作るわけですから、委員は大方、人形のような存在でいいわけです。
(辻村)  つまり、役所社会主義がはびこる「現実の空間」では、"有識者"なるものは、「クライアントの奴隷」になって始めて発言や出席の機会が得られる。そして、さらには、それに伴う"役所御用達"という社会的ステータスが確保される仕組みになっているわけですね。
(石村)  そのとおりです。いま、自治体が第三セクター方式でやったプロジェクトが各地で崩壊しています。しかし、頓挫したプロジェクトの元は、中央の役所の指導でおこなわれていたり、あるいはプロジェクトの収支の正当化作業をやった民間のシンクタンクであったわけです。こうした過程においては、大なり小なり、大学の先生とか"識者"が「クライアントの奴隷」として参加しているわけです。
(辻村)  こうした人たちは自分の示した"識見"に対して自らの責任をはっきりさせる必要があるはずですね。
(石村)  責任を感じるくらいなら、もともと青写真作りの段階で参加を断っていたでしょう。業界のお抱えのような存在になってしまうと、結局、クライアントに耳ざわりのいいことばかりいわざるを得ないことを分かっていてやっているわけです。
(辻村)  こうしたタイプの識者に限って、日本の将来を云々したがりがちで、これもまた困ったものですね。
(石村)  いずれにしろ、サイバータックス・ジャパンも「クライアントの奴隷」にならないように、言い換えると、自治体の第三セクター事業の委託調査をした民間のシンクタンクのようにならないようにしなければいけないわけです。
(辻村)  結局、「現実の空間」では、独立した潤沢な資金がない限り、正論を通すのは難しい。「クライアントの奴隷」とならざるを得ない。これを、どう打破していくのかが問題なわけですね。
(石村)  そうです。「現実の空間」では、ノンパルチザン(無党派)、ノンプロフィット(非営利)のシンクタンクは非常に運営が難しいといえます。
 ところが、インターネットを媒介とした「電脳空間」では、わずかばかりの資金と有能な人材でもって、政策提言型のシンクタンクの運営も可能なわけです。課税庁サイドでもない、税理士界サイドでもない、「国民・納税者の視点」からの政策提言、意見の公表も可能なわけです。また、これによって、あらたな流れの形成も可能でしょう。
 例えば、北朝鮮のような国で、国民の間にインターネットが普及していたらどうでしょうか。
(辻村)  「電脳空間」を通じて世界を見ることができる。少なくとも、「現実の空間」で流通する言論統制されたメディアを使った独裁は不可能になるでしょうね。
(石村)  そうです。まさに、コンピュタックス・ジャパンの大きなねらいは、こんなところにあります。
 サイバータックス・ジャパンは「国民・納税者が主役」の視点にたったコンピュータ税務のサイバー・シンクタンクの一つに過ぎません。「電脳空間」に、この種の研究機関が増えることは、極めて好ましいことです。
 「電脳空間」での"開かれた税務"を求める流れが大きくなれば、徐々に、課税庁も税理士界も、どこへ顔を向けて税務支援サービスをすればよいか、方向性も定まってくるのではないでしょうか。
(辻村)  役所社会主義から抜け出て、国民・納税者に開かれた税務支援サービスを模索せざるを得なくなるわけですね。
(石村)  サイバー・シンクタンクは様々な可能性を秘めています。しかし、官民の税務支援サービスが、国民・納税者に開かれた形で提供されるようになるのは極めて好ましいことではないでしょうか。


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