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2008年4月に、当時の自公政権のもと、厚労省の役人の音頭で、通称「ジョッブ・カード」という名の“公的履歴書”制度を稼働させた。
ジョッブ・カード制度は、仕事を求める若者をターゲットに、新たな職歴ICカードを発行し、本人確認情報や学歴・職歴に加え、職業訓練参加状況や企業側の評価などを集約管理し、求職者の働き口となる求人企業へ提供しようとする構想だ。
ジョッブ・カードは、若者の個人情報を公有化し、人格権の国家管理につながる役所社会主義的な構想だ。この構想、人権感覚の鋭い人ならば、内実は、“データ監視国家づくり”の最たる政策の一つであることは、一目瞭然だ。
ジョッブ・カードは、「ワーキングプア(働いても貧しい人たち)」の人格権を侵害し、フリーター歴を犯歴のように求職先に提供することにもつながる。こうした、ICカード・システムづくり自体が、差別的で、格差を助長する政策である。役所がやるべき仕事ではない。最たるムダな公共事業の一つでもある。
PIJは、CNN49号で、「役所はジョッブ・カード制のような危ない公共事業を始めてはいけない」と批判した。
日本経済新聞8月7日(土)朝刊の記事によると、「ジョッブ・カード、利用伸び悩み」だという。この新聞は、役所やITハイエナ企業御用達のような振る舞いに徹し、“ジョッブ・カード”をよいしょする記事を掲載してきた“実績”のあるプレスである。
この記事によると、当初の政府目標は、「2020年までに300万人取得」。だが、ジョッブ・カードの利用実績は3万人程度だという。「伸び悩みの最大の原因は知名度不足」だという。だが、それは、この記事を書いた記者を含めて、“ホワイト履歴”をもつ連中の“思い込み”であろう。
世の中には、犯歴や短期転職を繰り返すなど“ブラック履歴”を持つが、まじめに働きたい人など、いろいろな人がいる。学歴で悩んでいる若者もいる。こうした人たちに仕事を保障する仕組みでないと広く受け入れられるのは難しい。つまり、求められていることは、“履歴”で人を採用するのではなく、“働きぶり”で人を採用する仕組みの構築だ。
真に求められているのは、「企業や役所は、最低の雇用要件を示した求人広告をしたうえで、その要件に会う人をくじ引きで採用する。しかし、試用期間(例えば6カ月)内は、“働きぶりが悪い”と判断すれば、理由を示して解雇できる。この場合の職歴は履歴書に記載する必要がないことを法的に保障する」といった仕組みを構築することではないか。
ところが、ジョッブ・カード制度は、求職者のプライバシーを公有化し、「知られたくないことを話さない権利(ひとりにしておかれる権利)」を放棄するように求めるに等しい仕組みだ。「働きたければ、スッポンポンになれ、社畜になれ」では、広く受け容れられないのは当り前である。
まさに、ジョッブ・カード制度は、こうした社会的に弱い生活者の気持ちがわからない、仕事が安定した頭でっかちの役人の“思い込み”で組み立てられた仕組みといえる。
所詮、ジョッブ・カード制度は、お役所仕事。ITハイエナ企業にとっては、“失敗しても儲けにはなる”。税金のムダ遣いでも“美味しい”公共事業であることには変りがない。イケイケドンドンに違いない。
今の政権のモットーは、「市民が主役」なはずだ?だとすれば、ジョッブ・カードのような危険でムダな公共事業を真っ先に事業仕分けの対象にしなければならないはずだ。ところが、こんなところで、血税の垂流し、ムダ遣いをつづけている。政権運営のあり方が問われている。フリーター同然だった過去をもつ議員も多いのだが・・・・「昔の私とは違う・・・・・」で片づけているのだろうか??
今、政権が、産官と一体となって実施しようとしている共通番号制度や国民ID〔カード)制度も、国民の人格権を公有化しようという役所社会主義的な発想の最たる例の一つである。「こんなものも要らない」の声がまったく出てこない今の民主の党の姿勢、議員の資質が問われている。
若者の人格権を、集中管理し、むりやり「商品」のように求職先の企業に提供させ、若者を選別し、逆に、差別・格差を助長するジョッブ・カード〔職歴ICカード)は即刻廃止すべきである。
役人いいなりで、民主の政権運営のモットー、「市民が主役」が大泣きしている。
Big Brother
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2008年4月に、当時の自公政権のもと、厚労省の役人の音頭で、通称「ジョッブ・カード」という名の“公的履歴書”制度を稼働させた。
ジョッブ・カード制度は、仕事を求める若者をターゲットに、新たな職歴ICカードを発行し、本人確認情報や学歴・職歴に加え、職業訓練参加状況や企業側の評価などを集約管理し、求職者の働き口となる求人企業へ提供しようとする構想だ。
ジョッブ・カードは、若者の個人情報を公有化し、人格権の国家管理につながる役所社会主義的な構想だ。この構想、人権感覚の鋭い人ならば、内実は、“データ監視国家づくり”の最たる政策の一つであることは、一目瞭然だ。
ジョッブ・カードは、「ワーキングプア(働いても貧しい人たち)」の人格権を侵害し、フリーター歴を犯歴のように求職先に提供することにもつながる。こうした、ICカード・システムづくり自体が、差別的で、格差を助長する政策である。役所がやるべき仕事ではない。最たるムダな公共事業の一つでもある。
PIJは、CNN49号で、「役所はジョッブ・カード制のような危ない公共事業を始めてはいけない」と批判した。
日本経済新聞8月7日(土)朝刊の記事によると、「ジョッブ・カード、利用伸び悩み」だという。この新聞は、役所やITハイエナ企業御用達のような振る舞いに徹し、“ジョッブ・カード”をよいしょする記事を掲載してきた“実績”のあるプレスである。
この記事によると、当初の政府目標は、「2020年までに300万人取得」。だが、ジョッブ・カードの利用実績は3万人程度だという。「伸び悩みの最大の原因は知名度不足」だという。だが、それは、この記事を書いた記者を含めて、“ホワイト履歴”をもつ連中の“思い込み”であろう。
世の中には、犯歴や短期転職を繰り返すなど“ブラック履歴”を持つが、まじめに働きたい人など、いろいろな人がいる。学歴で悩んでいる若者もいる。こうした人たちに仕事を保障する仕組みでないと広く受け入れられるのは難しい。つまり、求められていることは、“履歴”で人を採用するのではなく、“働きぶり”で人を採用する仕組みの構築だ。
真に求められているのは、「企業や役所は、最低の雇用要件を示した求人広告をしたうえで、その要件に会う人をくじ引きで採用する。しかし、試用期間(例えば6カ月)内は、“働きぶりが悪い”と判断すれば、理由を示して解雇できる。この場合の職歴は履歴書に記載する必要がないことを法的に保障する」といった仕組みを構築することではないか。
ところが、ジョッブ・カード制度は、求職者のプライバシーを公有化し、「知られたくないことを話さない権利(ひとりにしておかれる権利)」を放棄するように求めるに等しい仕組みだ。「働きたければ、スッポンポンになれ、社畜になれ」では、広く受け容れられないのは当り前である。
まさに、ジョッブ・カード制度は、こうした社会的に弱い生活者の気持ちがわからない、仕事が安定した頭でっかちの役人の“思い込み”で組み立てられた仕組みといえる。
所詮、ジョッブ・カード制度は、お役所仕事。ITハイエナ企業にとっては、“失敗しても儲けにはなる”。税金のムダ遣いでも“美味しい”公共事業であることには変りがない。イケイケドンドンに違いない。
今の政権のモットーは、「市民が主役」なはずだ?だとすれば、ジョッブ・カードのような危険でムダな公共事業を真っ先に事業仕分けの対象にしなければならないはずだ。ところが、こんなところで、血税の垂流し、ムダ遣いをつづけている。政権運営のあり方が問われている。フリーター同然だった過去をもつ議員も多いのだが・・・・「昔の私とは違う・・・・・」で片づけているのだろうか??
今、政権が、産官と一体となって実施しようとしている共通番号制度や国民ID〔カード)制度も、国民の人格権を公有化しようという役所社会主義的な発想の最たる例の一つである。「こんなものも要らない」の声がまったく出てこない今の民主の党の姿勢、議員の資質が問われている。
若者の人格権を、集中管理し、むりやり「商品」のように求職先の企業に提供させ、若者を選別し、逆に、差別・格差を助長するジョッブ・カード〔職歴ICカード)は即刻廃止すべきである。
役人いいなりで、民主の政権運営のモットー、「市民が主役」が大泣きしている。
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