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PIJ国民総背番号IDカード問題対策チーム
民主政権は、国家戦略室に、閣僚などからなる「社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会」(共通番号制度検討会)を設けて、税金と社会保障の個人情報を一つにまとめる共通番号制度(国民総背番号制導入)の検討をすすめていることは周知のところだ。
民主の背番号構想に、PIJは、当初から反対してきた。背番号を官民でオープン利用になり、「なりすまし犯罪」がバッコする社会になることは、確実だからである。
荒井国家戦略担当相は7月16日に、背番号の導入について、利用範囲やどの番号が望ましいかを、同日から8月16日まで意見募集すると発表した。意見募集要項などはインターネット(http://www.npu.go.jp/policy/policy03/archive07.html)にある。意見はメールのほか、郵送、ファクスでもOKだという。
今回の意見公募の仕方は、アンケート調査では“不適切”と評される、導入を前提とした“誘導型”回答の書式となっている。言い換えると、そもそも導入に反対な人たちの意見はいらない、として排除される構図になっている。
今回の意見公募の対象である民主政権が構想を練っている新たな背番号の利用範囲や使う番号の選択肢は、すでに、共通番号制度検討会が参院選大敗の直前の6月末に『中間報告』として公表。したがって、民主の背番号導入に賛成の人は、利用する範囲は、「税のみ」「税と社会保障」「幅広い行政分野」などの中から選ぶ。また、使う番号は「基礎年金番号」「住民票コード」「新たな番号」の3案から選ぶやり方だ。望ましいものを選んだうえで、その理由を書く欄もある。
だが、『中間報告』、さらには今回のアンケートでは、共通番号が可視化して汎用されることで成りすまし犯罪社会化し、苦悩しているアメリカなどの実情については全く触れない。また共通番号の汎用が国民の人権侵害につながる可能性については、全く説明責任を尽していない。さらには、共通番号を格納する国民ID【国民登録証・現代版電子通行手形】制度構想とのパッケージで国民に説明責任を尽くしていない。
こんな状況で、そもそも、素人を相手に賛成を前提としたアンケートをして、どうしようというのであろうか。
存続そのものが危うい民主政権は、共通番号を見える化して導入し、汎用の結果、アメリカ社会のように「成りすまし犯罪者天国」になっても、そのときに責任をとれないだろうに。あるいは、「成りすまし犯罪」による人権侵害が多発しても、賛成論だけを募ったアンケートを基に、「賛成した国民が悪い」と、結果責任を国民に押し付けるつもりだろうか。多分、問題が多発したときのことを先読みし、アリバイつくりをしているのだろう。このアンケートの仕方は、そうとしかとれない。
役人や役人とつるんだITハイエナ企業に操られ、菅政権は、いつまで、こんな無責任の政治を続けるつもりなのだろうか。
共通番号をめぐっては、一たん導入を許すと生涯診療情報の国家管理までエスカレートさせる方向であることから、導入そのものに慎重な意見も少なくない。
にもかかわらず、今回の回答書式には自由な意見を書き込む欄はない。また、募集要項で「社会インフラとして整備する必要がある」と強調している。つまり、「国民の幅広い個人情報を国家が管理するのは当り前、いやなら、この国の国民であることをやめたら・・・」のトーンはいただけない。民主主義のイロハを知らない連中のやり方だ。
国家戦略室は、「反対意見があれば、選択肢を選んだ後にその理由を書く、記述欄に書いてほしい」としている、と報道されている。がしかし、こうした社会調査手法それ自体が、「不適切」である。
参院選で大敗の直後に、こうした危ない背番号構想への賛成意見を募る。あくまでも、「増税と背番号管理」という役人が敷いた路線を走ろうとする「菅」政権の「官」依存の体質をまざまざと見せつけられた。参院選で大敗して、「市民派(?)を標榜する民主党は、プライバシー保護など人権に慎重な立場に戻るのではないか」という、お灸を据えた人たちの“期待”を、またもや見事に裏切った。
ちなみに、番号賛成に「変節」した朝日新聞7月18日朝刊「社説」のタイトルは『共通番号制―目的と利点をくわしく』だと。この新聞、住基ネット導入へ反対した「過去」の責任はどこへ行ってしまったのであろうか??
私たち国民は、こうした市民の人権を大事にしない一部マスコミの姿勢も、問わなければならない。「戦時中は戦争に協力する。敗戦後は、戦犯追及に協力し、反戦を唱える。そして、また変わる・・・。」といったスタイルの言論機関も、二枚舌の菅政権と同じように、国民の信頼を失って、“売れない、買わない”となるのは当たり前かも知れない。
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PIJ国民総背番号IDカード問題対策チーム
民主政権は、国家戦略室に、閣僚などからなる「社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会」(共通番号制度検討会)を設けて、税金と社会保障の個人情報を一つにまとめる共通番号制度(国民総背番号制導入)の検討をすすめていることは周知のところだ。
民主の背番号構想に、PIJは、当初から反対してきた。背番号を官民でオープン利用になり、「なりすまし犯罪」がバッコする社会になることは、確実だからである。
荒井国家戦略担当相は7月16日に、背番号の導入について、利用範囲やどの番号が望ましいかを、同日から8月16日まで意見募集すると発表した。意見募集要項などはインターネット(http://www.npu.go.jp/policy/policy03/archive07.html)にある。意見はメールのほか、郵送、ファクスでもOKだという。
今回の意見公募の仕方は、アンケート調査では“不適切”と評される、導入を前提とした“誘導型”回答の書式となっている。言い換えると、そもそも導入に反対な人たちの意見はいらない、として排除される構図になっている。
今回の意見公募の対象である民主政権が構想を練っている新たな背番号の利用範囲や使う番号の選択肢は、すでに、共通番号制度検討会が参院選大敗の直前の6月末に『中間報告』として公表。したがって、民主の背番号導入に賛成の人は、利用する範囲は、「税のみ」「税と社会保障」「幅広い行政分野」などの中から選ぶ。また、使う番号は「基礎年金番号」「住民票コード」「新たな番号」の3案から選ぶやり方だ。望ましいものを選んだうえで、その理由を書く欄もある。
だが、『中間報告』、さらには今回のアンケートでは、共通番号が可視化して汎用されることで成りすまし犯罪社会化し、苦悩しているアメリカなどの実情については全く触れない。また共通番号の汎用が国民の人権侵害につながる可能性については、全く説明責任を尽していない。さらには、共通番号を格納する国民ID【国民登録証・現代版電子通行手形】制度構想とのパッケージで国民に説明責任を尽くしていない。
こんな状況で、そもそも、素人を相手に賛成を前提としたアンケートをして、どうしようというのであろうか。
存続そのものが危うい民主政権は、共通番号を見える化して導入し、汎用の結果、アメリカ社会のように「成りすまし犯罪者天国」になっても、そのときに責任をとれないだろうに。あるいは、「成りすまし犯罪」による人権侵害が多発しても、賛成論だけを募ったアンケートを基に、「賛成した国民が悪い」と、結果責任を国民に押し付けるつもりだろうか。多分、問題が多発したときのことを先読みし、アリバイつくりをしているのだろう。このアンケートの仕方は、そうとしかとれない。
役人や役人とつるんだITハイエナ企業に操られ、菅政権は、いつまで、こんな無責任の政治を続けるつもりなのだろうか。
共通番号をめぐっては、一たん導入を許すと生涯診療情報の国家管理までエスカレートさせる方向であることから、導入そのものに慎重な意見も少なくない。
にもかかわらず、今回の回答書式には自由な意見を書き込む欄はない。また、募集要項で「社会インフラとして整備する必要がある」と強調している。つまり、「国民の幅広い個人情報を国家が管理するのは当り前、いやなら、この国の国民であることをやめたら・・・」のトーンはいただけない。民主主義のイロハを知らない連中のやり方だ。
国家戦略室は、「反対意見があれば、選択肢を選んだ後にその理由を書く、記述欄に書いてほしい」としている、と報道されている。がしかし、こうした社会調査手法それ自体が、「不適切」である。
参院選で大敗の直後に、こうした危ない背番号構想への賛成意見を募る。あくまでも、「増税と背番号管理」という役人が敷いた路線を走ろうとする「菅」政権の「官」依存の体質をまざまざと見せつけられた。参院選で大敗して、「市民派(?)を標榜する民主党は、プライバシー保護など人権に慎重な立場に戻るのではないか」という、お灸を据えた人たちの“期待”を、またもや見事に裏切った。
ちなみに、番号賛成に「変節」した朝日新聞7月18日朝刊「社説」のタイトルは『共通番号制―目的と利点をくわしく』だと。この新聞、住基ネット導入へ反対した「過去」の責任はどこへ行ってしまったのであろうか??
私たち国民は、こうした市民の人権を大事にしない一部マスコミの姿勢も、問わなければならない。「戦時中は戦争に協力する。敗戦後は、戦犯追及に協力し、反戦を唱える。そして、また変わる・・・。」といったスタイルの言論機関も、二枚舌の菅政権と同じように、国民の信頼を失って、“売れない、買わない”となるのは当たり前かも知れない。