2010/06/10

イギリス議会下院で、ID【国民登録証】カード廃止法案の本格審議始まる

すでに報告したように、イギリスの新【保守党・自民党】連立政権は、旧労働党政権が導入したID【国民登録証】カード制の廃止を政策に一つにかかげ、5月の総選挙に勝利した。

新政権は、新政権誕生後、「ID【国民登録証】カード廃止法案」(2006年IDカード法廃止法案)を議会に上程した。

イギリス議会は2院制をとっており、下院(庶民院)と上院(貴族院)からなる。また、法案審議においては、わが国が委員会中心主義をとるのに対して、イギリスは本会議【読会】中心主義をとる。

「ID【国民登録証】カード廃止法案」(2006年IDカード法廃止法案)の下院先議の法案である。2010年6月9日から、下院の第二読会で、審議がはじまった。

「ID【国民登録証】カード廃止法案」は、内務省が法案を用意している。いわゆる“政府提出法案”である。議員提出法案ではない。このため、イギリスのIDカード制廃止を闘ってきた市民団体【NO2IDなど】は、法案の行方を注意深く見守っている。

とりわけ、新連立政権は、移民のイギリス国内への流入制限を打ち出している。このため、英内務省は、外国人居住者に対しては、引き続き「生体認証式の外国人居住許可証(Biometric Residence Permit)」制度を、“居住外国人ID【登録証】カード制”をして維持する方針を打ち出している。

市民団体は、多元主義を基本とする現代イギリス社会の形成・発展にとり、“居住外国人ID【登録証】カード制”の存続は、「有害」であるとの見解を明らかにしている。

このため、市民団体は、“居住外国人ID【登録証】カード制”の廃止を含めた「ID【国民登録証】カード廃止法案」の修正、成立に向けた運動を展開、議員や政党への働きかけを強めている。

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