2010/05/21

イギリス新連立政権、前労働党政権導入のID【身分登録証明】カード廃止へ〜人権を蝕む「ID番号カード制導入」へ逆走する鳩山政権

2006年に前労働党政権は、ID【身分登録証明】カード法(Identity Card Act 2006)を制定し、国民全員に順次、身分登録証カードを導入する政策を実施した。(CNNニューズ55号では、イギリス労働党政権の「ID【身分登録証明】カード制導入」案を紹介した。参照願いたい。)だが、当時野党であった保守党、さらに自由民主党(LDP)は、政権を奪取した後は、人権侵害のおそれの強いIDカード制を廃止する旨を政権公約としていた(CNNニューズ55号、25頁参照)。

今回の下院総選挙で、勝利し、LDPと連立した保守党政権(キャメロン党首・首相)は、5月14日に、DNAデータベースの見直しを含む、「IDカード制の廃止」を言明した。また、監視カメラ(CCTV)の無制限設置に規制をかける方針を打ち出した。その理由は、監視カメラがテロリストや組織暴力の縮小にあまり効果がない。むしろ、人権面でのマイナス効果に配慮する必要があるとの認識に基づく。こうした政策は、LDPの政権公約を大幅に取りえ入れた結果でもある。

翻って、わが国の鳩山政権は、2013年までに国民IDカード【登録証】制を導入するとか。だが、ちょっとマッタ! 民主党は、政権を奪取する以前に4度も住基ネット廃止法案を出したはずだ。

政権奪取後は、豹変し、いまや“共通番号制(国民総背番号制)万歳”、現代版通行手形である“国民IDカード制万歳”だ。・・・・やはり、国民の移動の自由を制限し、人権を蹂躙する政権には、政界から退場願わないといけないのではないか?

今回のイギリスの政権交代、“自由”、“人権”を大事にする新連立政権の誕生を祝したい。

2010年5月21日

Big Brother