2025/01/09

トランプ復活、またトラ、で世界に広がるニヒリズム/虚無主義

2025年が幕を開けた。SNS利用拡大が、世界中で物議をかもしている。選挙に負けた腹いせにSNSで議会乱入を煽ったことはゆるされてはならない。再選で、“またトラ”が正義の味方となる?そして、すべてがチャラになる?これでは、「法の支配」に根差した民主主義は崩壊してしまう。

「ポスト真実政治(post-truth politics)」、つまり、客観的真実より、個人の主張や感情が世論を形成、政治を支配する風潮が強まっているということだろう。

いち早く「破壊こそ建設なり」の言動やフェイクを拡散し他国や他者をいたぶる“またトラ”に抱きつくこと。これが「正義(justice)」のような風潮がグローバルに広がる。

「抱きつき願望者」は、わが国の首相だけではない。アメリカの“カオス大好き”のイーロン・マスク氏もその1人だ。札束で世界最大規模のSNSであるX(旧ツイッター)を手に入れた。そして、国境のないネットを使って世界政治をあおる。“またトラ”とタッグを組み、「資本の論理ファースト」のキャッチでネット行脚し、デジタル独裁者の顔を露にしてきている。帝国主義的野望を露にしたあおり言動は、ロシアのプーチン氏と重なる。

SNSの大手Meta(メタ)のトップ、マーク・ザッカーバーグCEOも、抱きつき組の1人だ。再選後、白旗を掲げ“またトラ”に急接近。そして、Meta(メタ)が運営するFacebook(フェイスブック)やInstagram(インスタグラム)などSNSの虚偽情報の判別をする「ファクトチェック」をアメリカでは止めた。代わりに、ユーザー同士が誤解を招く投稿などを補足し合う「コミュニティーノート」方式導入に舵を切った。表向きは「言論の自由」重視の原点に回帰するため、というのだが?

EU(欧州連合)は、Meta(メタ)に警告した。「ファクトチェック廃止はEUの2022年デジタルサービス法(Digital Services Act/Regulation 2022)にぶつかる。」と。対米追従は当り前のわが国はどうだろうか。EUのように、Meta(メタ)に物言いができるだろうか?

ポピュリズム(大衆迎合主義)が世界中に拡散し、これまでの価値観が通用しない。ネット空間では当り前のようにフェイク(ニセ情報)が徘徊する。これでは、世界中がニヒリズム/虚無主義の“蟻地獄”に落ちるのではないか。

「アメリカ独り勝ちは放置できない!」「倫理、コモンセンス、民主主義的な価値観が通用しない人間に対する無原則な寛容は、無秩序につながる!」、「民主的な言論の自由を守るには不寛容、公的規制強化、劇薬もやむなし!」の声が高まる。