2009/06/16

◆「朝日新聞」が“納番賛成”へ変節

◆「朝日新聞」が“納番賛成”へ変節

 朝日新聞2009年6月14日(日)「社説」“納税者番号”で、「導入へ不安解消の議論を」と、従来の納番導入消極論から、導入賛成へ大きく舵を切った。背景には、民主党の「納番と給付つき税額控除」セット導入論を支援するねらいがあるものと思われる。

 朝日新聞は、2009年1月22日朝刊「オピニオン」に、元財務省の役人で「納番賛成論者」の中大法科大学院教員の森信茂樹氏の意見を掲載したころから、様子がおかしくなった。

 その後、2009年5月4日朝刊社説「行政のIT化 政府全体で考えねば」社保番号、社保カードについて、今後の”変節“があるうることを匂わせていた。ただ、その賛否については明確にしていなかった。

 ところが、前記6月14日の社説では、番号制度導入賛成への姿勢を明確にした。同社説いわく、「納税者番号制には管理社会化の一面はある。しかし、社会保障を充実させるには、乱用の防止を前提にして導入せざるを得ないのではないか。」と。何の「乱用」防止かは意味不明な文章ではある。

 仮に民主党や自民党などが提唱する「社保番号=納番の乱用」防止をいうのであれば、“いったんこれの導入をゆるせば、歯止めはできない”といことを、肝に銘じるべきである。言論界の責任は重い。

                                Profish

《朝日新聞、番号制導入賛成へ向けた“変節”の最近の経緯》

・2009年06月14日朝刊:【社説】納税者番号 導入へ不安解消の議論を

・2009年05月04日朝刊:【社説】行政のIT化 政府全体で考えねば

・2009年02月11日朝刊:【ニュースがわからん!】納税者番号制が浮上しているが? 所得などを把握しやすい

・2009年01月22日朝刊:《オピニオン1》【私の視点ワイド】納税者番号制度 受益 の観点から議論が必要 森信茂樹