2012/09/03

問われる「背番号」報道の姿勢

8月29日に、野田首相への問責決議が可決され、「共通番号法案」(マイナンバー/私の背番号法案)は、ひとまず今国会では成立せず、先送りされた。

関係委員会の議員に聞くと、「背番号法案、今国会での成立はないだろう」と話す。

問題は、「成立を催促する」背番号導入への“呼び水”、提灯記事を書く大新聞、マスコミである。

「日経」は、7月26日朝刊で、「共通番号法案 成立へ」と、援護射撃のような記事を掲載した。そもそもこの新聞は、共通番号導入で潤う財界、IT利権のPR紙。“倫理”は期待できないから、批評する必要があるのかどうか、それ自体問題ではあるが。

罪深いのは「朝日」である。この新聞、住基ネットではあれだけ導入の反対の姿勢を貫いていたのに、今や「共通番号万歳」に変節。信頼できない“野田政権”とほとんど同じ穴のむじなである。

朝日7月27日朝刊では、「共通番号 成立へ急加速、個人情報保護 なお課題」(執筆記者 榊原謙、伊藤裕香子)といった“番号導入の呼び水”、提灯記事を掲載。大賛成なくせして、“プライバシーにも関心あり”そうな雰囲気をかもし出して煙幕を張っている。反対派へのリップサービスかも知れないが、始末が悪い。

7/27記事が書いているような、個人情報保護、無期限の公共工事で膨大なコストが問題であるなら、共通番号は要らないわけで、分野別限定番号でいいわけだ。情報連携(データ照合)のためのデータの紐付けも、共通番号のあるなしは関係ない。また、既存の住民票コードでもできる。プライバシーが危ないなら、韓国やアメリカなど、共通番号を採用する国々での成りすまし犯罪の現状とかをしっかり報道すべきだろうに。

伊藤記者、あなたは誰のために共通番号万歳を叫び続けているのか、私たち市民には分からない。

「朝日」の背番号記事を書いている記者の方々、あなた方は、先輩が“大本営のPR紙”と化した過去を反省して再出発したのを知っているはずだ。ところが、いつの間にか戦時中の朝日に先祖返り。背番号ばかりか、消費増税も賛成で、今は完全に財務省のパーペット。“

何で、こんなに「朝日」は劣化してしまったのか??????人権感覚をなくした大新聞のなれのはて・・・。石原、河村、橋下等々、ナショナリズムを鼓舞する連中のオンパレードのなか、マスコミの生存は難しいのはわかる、・・・・・。だが、“人権の歌を忘れたカナリアは・・・・・・”。

大新聞は、「明日にも法案が成立する」ような呼び水記事、“競馬の予想記事”の類を書いていいわけはない。“信憑性”のない“憶測”、“願望”、“その筋からの依頼”で、提灯記事を掲載するのはいただけない。今回は、まさに、いただけないケースの典型だ。

PIJ 事務局