2012/04/20

フラットモデルのマイナンバー(私の背番号)は成りすまし犯罪ツールになるのは必至

2011年9月1日に、アメリカ連邦議会下院歳入員会 社会保障小委員会は、「社会保障番号と子どもの成りすまし犠牲者」の問題についての公聴会を開催した。 http://waysandmeans.house.gov/Calendar/EventSingle.aspx?EventID=257210

この公聴会で、連邦司法省は、2006年〜2008年ベースで、成りすまし犯罪の犠牲者が1億170万件にのぼっていることを明らかにした。

また、連邦取引委員会(FTC)によると、成りすまし犯罪による損害額は、年500億ドルにのぼるという。こうした成りすまし犯罪の最大の原因が、フラットモデル【同じ番号を多目的利用・汎用】する共通番号である「社会保障番号(SSN)」にあるという。

民主党は、野党時代に住基ネット導入に反対し、その後4度も廃止法案を国会に出している。その民主党が政権に就くやいなや大きく「変節」し、アメリカで成りすまし犯罪ツールと化しているのと同じフラットモデルの共通番号である「マイナンバー(私の背番号)」の導入を推進している。マイナンバー(私の背番号)は、公開(オープンに)して社会保障や課税事務に使うとしていることから、民間に垂流しになることは止められないことくらいは分かりそうなはずだが・・・。

アメリカ連邦議会公聴会証言などから社会保障番号(SSN)が犯罪ツール化している実情からみても、マイナンバー(私の背番号)を導入し官民でオープンにして汎用するプランは、きわめて危ない提案であることが分かる。こんな危ないツールを導入したら、国民のプライバシーは濫用され、成りすまし犯罪者が闊歩する社会へまっしぐらであろう。次の世代に負の遺産を送ることにつながるのは明らかだ。

マイナンバー(私の背番号)法案には、情報漏えい対策として、「第三者機関の設置」や、「厳罰」が盛り込まれているから大丈夫だというかも知れない。だが、こうした措置を講じること自体、裏返せば、マイナンバー(私の背番号)危ないツールである証拠だ。個人情報の垂流しは「厳罰で防ぐ」というが、これでは、番号取扱現場が怖くてさわれない。いつ、犯罪者にされるか分からない。冗談じゃない!!

オーストリアとかでは、危ないフラットモデルをやめにして、セクトラルモデル【分野別の番号】を使っている。このセクトラルモデルを採用すれば、あらたな共通番号はまったく不要だ。にもかかわらず、人権感覚ゼロの民主党政権は、IT産業利権につながるという理由だけで、住基ネットに加えて、あらたな公共事業として共通番号導入に走っている。

フラットモデルの「マイナンバー(私の背番号)」は、カネ喰い虫で、しかも危険、まさに「原発は安価で安全」というのと同じだ。ムダな公共事業で利権をあさろうというIT産業、その水先案内人の財界、連合・民主党、総務省・財務省、役人から変身した議員や御用学者の「産労政官学血税ムダ遣いグループ」が国民のプライバシーを食いものにして画策したものだが、絶対に実現させてはいけない。

朝日新聞など、住基ネットではあれだけ監視社会問題、プライバシー問題を真摯に議論したマスコミなどが、今では危ないフラットモデルの共通番号の導入の旗振りをしている。批判能力を喪失している。自分らの姿勢に恥ずかさを感じないのだろうか?

わが国の新聞界は、戦争を推進し、戦後は反省もせずに「民主主義」を説いて、何事もなかったように振る舞い、そして、また何事もなかったように「変節」する・・・同じ道をすすんでいるようにしか見えない。

CNNニューズ69号を発刊した。フラットモデルのマイナンバー(私の背番号)の危険性、対案を含め、CNNニューズ69号を読んでいただきたい。

                                            PIJ事務局