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3月21日(水)18:30〜から、東京、神田、総評会館・2階 会議室で「共通番号」反対市民集会は、盛況でした。この集会を主導された、反住基ネット連絡会には、本当に頭が下がります。ご苦労さまでした。
2月14日、政府は、「マイナンバー(私の背番号)法案」を閣議決定し、国会へ上程しました。法案を読むと社会保障の充実という大義名分すら消え失せ、「背番号」と「ID〔国民登録証〕カード」で、国家が国民情報をトータルに監視できるようにしようという内容です。
私たち国民一人ひとりに背番号を刺青し、国家が個人のプライバシーをトータルに串刺し管理する政策がすすめられようとしています。まさに、「国畜」化構想です。また、国民は自分の「国畜」背番号を記したID〔国民登録証〕カードを常時携行しないと日常生活できない方向です。ID〔国民登録証〕カードは、「現代版通行手形」になるはずです。こんな人権無視の法案は、絶対に阻止しなければいけません。
《集会の進行》
◎主催者のあいさつ: 白石 孝(プライバシーアクション)
◎基調報告:共通番号=マイナンバー(私の背番号)法案の廃案を目指して
◎マイナンバー(私の背番号)法案を読む: 水永誠二弁護士
◎個別発言:神奈川保険医協会、税理士などの発言
◎パネル討論:石村耕治(PIJ代表)、黒田充(自治体情報政策研究所代表) 清水雅彦(日体大教員)ほか
◎来賓あいさつ:福島瑞穂(社民党党首)、清水勉(弁護士)
《集会の紹介・意見・感想》
3.21集会では、基調報告、水永弁護士、辻村税理士などの個別発言と、この法案の問題点はかなり理解されたのではないかと思います。ただ、工夫も必要かと思います。折角、多くの方々は、大事な時間を使って参加されているのですから、品質管理(QC)をお願いしたいと思います。改善点を、いくつか指摘してみます。
「住基ネットと共通番号制との違い」について、参加者である市民に、もう少し簡潔にしっかりとした説明が要ると思います。PIJ代表の石村氏が、「背番号のオープン利用」、「データ照合基盤」の設定などの違いがあるとか、一応、説明されていましたが、ふつうの市民の参加者には、分かりにくかったです。資料を準備する、図説する、とかもっと工夫して欲しいと思います。
ともかく、パネラーには、やはり、まず共通番号の法案を十分に精査され、自分の覚えていることを吐き出すだけではなく、その日のテーマを確認し、場の雰囲気を読んでしっかりしたお話をして欲しいと思いました。「聴いている人が主役」の認識が必要です。
福島瑞穂氏(社民党党首)、清水勉氏(弁護士)のお話は、やはり、この問題を勉強されていること、あるいは実践的な活動を続けられていることもあって、しっかりしていました。
ちなみに、清水勉氏が推奨された日弁連編『デジタル社会のプライバシー』(航思社刊、2012年)《3,400円+税》は、世界の共通番号制、インターネットを通じた国家・企業による個人情報の収集・利用、監視カメラ法制の分析などを紹介しており、現状を知るうえでは良書です。
ただ、本書を読んでみると、各国はこんなに国民の監視の法制を強化しているのに、わが国はいまだ国民の国家コントロールが“甘い”と取られる怖れを感じました。こうした見方につながるのは、本書が、全体に各国の制度紹介に力点が置かれ、読み手が、批判的に考察した部分を識別するのを難しくしてしまっていることが大きな要因でしょう。ポイントをゴシックにして囲むとか、工夫が必要な感じがしました。また、厚過ぎて、読み切れません。もっと「リーダーズ・フレンドリー」な本つくりが求められています。
この点、同じく、清水勉氏が推奨された、今回のシンポ参加者である黒田充氏がかかれた『Q&A 共通番号 ここが問題』(自治体研究社、2011年)《1,900円+税》は、住基ネットと共通番号制との違いを含め、「リーダーズ・フレンドリー」で、わかりやすく良書と感じました。
2012年3月23日 PIJ事務局
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3月21日(水)18:30〜から、東京、神田、総評会館・2階 会議室で「共通番号」反対市民集会は、盛況でした。この集会を主導された、反住基ネット連絡会には、本当に頭が下がります。ご苦労さまでした。
2月14日、政府は、「マイナンバー(私の背番号)法案」を閣議決定し、国会へ上程しました。法案を読むと社会保障の充実という大義名分すら消え失せ、「背番号」と「ID〔国民登録証〕カード」で、国家が国民情報をトータルに監視できるようにしようという内容です。
私たち国民一人ひとりに背番号を刺青し、国家が個人のプライバシーをトータルに串刺し管理する政策がすすめられようとしています。まさに、「国畜」化構想です。また、国民は自分の「国畜」背番号を記したID〔国民登録証〕カードを常時携行しないと日常生活できない方向です。ID〔国民登録証〕カードは、「現代版通行手形」になるはずです。こんな人権無視の法案は、絶対に阻止しなければいけません。
《集会の進行》
◎主催者のあいさつ: 白石 孝(プライバシーアクション)
◎基調報告:共通番号=マイナンバー(私の背番号)法案の廃案を目指して
◎マイナンバー(私の背番号)法案を読む: 水永誠二弁護士
◎個別発言:神奈川保険医協会、税理士などの発言
◎パネル討論:石村耕治(PIJ代表)、黒田充(自治体情報政策研究所代表) 清水雅彦(日体大教員)ほか
◎来賓あいさつ:福島瑞穂(社民党党首)、清水勉(弁護士)
《集会の紹介・意見・感想》
3.21集会では、基調報告、水永弁護士、辻村税理士などの個別発言と、この法案の問題点はかなり理解されたのではないかと思います。ただ、工夫も必要かと思います。折角、多くの方々は、大事な時間を使って参加されているのですから、品質管理(QC)をお願いしたいと思います。改善点を、いくつか指摘してみます。
「住基ネットと共通番号制との違い」について、参加者である市民に、もう少し簡潔にしっかりとした説明が要ると思います。PIJ代表の石村氏が、「背番号のオープン利用」、「データ照合基盤」の設定などの違いがあるとか、一応、説明されていましたが、ふつうの市民の参加者には、分かりにくかったです。資料を準備する、図説する、とかもっと工夫して欲しいと思います。
ともかく、パネラーには、やはり、まず共通番号の法案を十分に精査され、自分の覚えていることを吐き出すだけではなく、その日のテーマを確認し、場の雰囲気を読んでしっかりしたお話をして欲しいと思いました。「聴いている人が主役」の認識が必要です。
福島瑞穂氏(社民党党首)、清水勉氏(弁護士)のお話は、やはり、この問題を勉強されていること、あるいは実践的な活動を続けられていることもあって、しっかりしていました。
ちなみに、清水勉氏が推奨された日弁連編『デジタル社会のプライバシー』(航思社刊、2012年)《3,400円+税》は、世界の共通番号制、インターネットを通じた国家・企業による個人情報の収集・利用、監視カメラ法制の分析などを紹介しており、現状を知るうえでは良書です。
ただ、本書を読んでみると、各国はこんなに国民の監視の法制を強化しているのに、わが国はいまだ国民の国家コントロールが“甘い”と取られる怖れを感じました。こうした見方につながるのは、本書が、全体に各国の制度紹介に力点が置かれ、読み手が、批判的に考察した部分を識別するのを難しくしてしまっていることが大きな要因でしょう。ポイントをゴシックにして囲むとか、工夫が必要な感じがしました。また、厚過ぎて、読み切れません。もっと「リーダーズ・フレンドリー」な本つくりが求められています。
この点、同じく、清水勉氏が推奨された、今回のシンポ参加者である黒田充氏がかかれた『Q&A 共通番号 ここが問題』(自治体研究社、2011年)《1,900円+税》は、住基ネットと共通番号制との違いを含め、「リーダーズ・フレンドリー」で、わかりやすく良書と感じました。
2012年3月23日 PIJ事務局